庵野さんの作ったゴジラ。
エンターテイメント作品として楽しめました。
日本人が未確認の脅威にどのように向かうかという設定に対する映画。
前半の非常事態に関わらず会議を繰り返すバカバカしさにリアリティを感じ、またその危うさにハラハラし、途中の米軍の攻撃によるゴジラの東京の破壊にカタルシスを感じるという、起承転までは完ぺきな進み方。
結のために、物語を収束させるために、正しい人たちが登場する必要があるのだが、ここら辺から物語が小さくなっていくような気がして、せっかくの破格の存在のゴジラが、日本の政治の話の小道具になってしまうことである意味淡々と後半は観ました。
物語として、スクラップ&ビルドのビルド部分はこれからなのだろうが、スクラップぶりがなんだか中途半端というか。ゴジラを淡々と現象としてとらえる部分が新しいところでもあり狙いなのだと思うが、その現象に対して人間たちがひたすら恐怖を感じたり、憎しみを感じたりする部分お少し陰影として含めたほうが良かったではとも思う。(それこそ中途半端になってしまうのかな。。。)
アメリカに激怒するよりも、ゴジラ自体にいいようのない怒りを感じるのではないか。登場人物たちがストーリーに寄り添って行儀よく動いている印象。
そういう意味では、石原さとみの全くアメリカを感じさせない演技が、そもそもの意図からかなり外れていて、すごい存在感だったともいえる。ストーリーに対してある程度違和感をかんじさせるようなエッジがたっていたような。(本人の狙いではないと思いますが)
あとは、日本にとっての世界がアメリカ、フランス、中国、ロシアくらい出てくれば良いようなストーリーとなっているが、この構図が若干世界のストーリーとなる上では古臭い気もした。せっかくのグローバリズムな時代にもう少し広がりがあるような物語にできると面白かったのでは。
とはいえ、映画の面白さというか詳細のこだわりなど、何度か観てもまた趣深い映画ではないかと思う。たくさんの観客を捉えられる点が素晴らしい。
- 感想投稿日 : 2018年1月4日
- 読了日 : 2018年1月3日
- 本棚登録日 : 2018年1月3日
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