風俗嬢、その後。

著者 :
  • 河出書房新社 (2006年11月16日発売)
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本棚登録 : 47
感想 : 7

●本の形式
元風俗嬢8人へのインタビュー形式の対談で進んでいきます。

●読後何を学び取ったか・・・
・ナンバー1になるためには相当に頭を使い工夫をこらして仕事に向き合う必要がある。同僚と同じことをしていたのでは結果は出せない。
・お金を稼ぐ方法をどのように考えるか。お金を稼ぐことについて時間という要素をどのように考えるか。

●私の働き方
登場する8人のほとんどが勤務していた店でナンバーワンになっています。

何故ナンバーワンになれたかというと、それぞれアプローチは違いますが、普通考えられるだろう仕事の取り組み以上の事をやってきたからです。

それぞれが必死になって考え、工夫し実行して、そのことがナンバーワンの座を勝ち取る事へと繋がっていくのです。

当たり前の仕事をしていてもナンバーワンにはなれません。

具体的にどのような仕事の仕方をしていたかのご紹介は割愛しますが、相当に頭を使って、工夫を凝らしていたようです。

この本のメインテーマは仕事術ではないので、そこに重きが置かれてはいませんでしたが、印象に残ったポイントです。

●お金の稼ぎ方
8人のほとんどが短距離走であったように思えます。

8人が現役だった時代は1000万円貯めて引退するということがひとつの目標だったそうです。

例えば15年働いて1000万円貯める事を考えてみます。その場合1年で66万円貯めればいいわけです。
とすると、1ヶ月5万5千円貯金すればいいわけです。

1ヶ月5万5千円を貯金することは、それほど非現実的な金額ではないのではないでしょうか。

しかし、それは15年というスパンで貯金を考えた場合です。

1000万円貯金を5年で達成しようとすると、1年で200万円貯金する必要が生じます。とすると、1ヶ月で16万円の貯金が必要です。
大体額面188000円くらいの給料だと考えると、1ヶ月16万円の貯金は一般的な社会人では大変困難です。

ただし、彼女たちが一日5万円の給料を得ているのであれば20日勤務することで1ヶ月100万円の給料ということになり、それなら月に16万円貯金できる可能性はもちろんあります。

しかし、一度に大金が手に入ることを行動経済学的に考えるならば、メンタルアカウンティングになりにくい部分があります。平たく言うと大きく稼いでもパーっと使ってしまいがちということです。

従って、短距離走的に1000万円の貯金を目指してトライしても目標に到達することは実際のところ難しいのかもしれません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 心理
感想投稿日 : 2013年3月23日
読了日 : 2013年3月22日
本棚登録日 : 2013年3月22日

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