東京大学海洋研究所の「ウナギグループ」による、幻のウナギ探索行。ウナギだけどアフリカ!ゆる〜い題名とは裏腹なアフリカでのハードなサンプリングの旅(というか冒険)です。今回の冒険では教授は途中で帰国してしまい、研究員の青山・渡邊組がまだ採取されていない最後のウナギ「アラビアータ」を探して4000kmの爆笑冒険行を繰り広げるのですが、場所はアフリカの大地溝帯に位置するマラウイ、モザンピーク。どこまでも続く荒れ地を縛られたニワトリと一緒にピックアップトラックに揺れら、バスに置き去りにされ、毛穴から入って脳を犯す住吸血虫の蔓延する湖で人食いワニをかわし、カバと衝突、夜は蚊の大群と戦い、陽気ななアフリカ人に暗いアフリカ人・・・ほとんどウナギは出てこない。考えてみれば、まだ採取されていないくらいなんだから、身近にいる訳もなく、とんでもないところまで入って行くサンプリングっていうのはまさしく冒険なのだなぁ。google earthなどで道筋をたどるとなお面白い。モンキーベイの野良象の群れやカバの写真もあります。後半、50度を超える暑さと水不足で身も心も消耗してく二人。だんだん笑えない状況になってくるのですが、その分リアル。でももう少し、ウナギの学術的な話や、サンプリングした後の成果などにも触れてほしかった。にょろり旅の後のニホンウナギの産卵場を探査する冒険行は阿井 渉介著「うなぎ丸の航海」に詳しい。こちらも、同行した小説家である著者という第3者の目から見た冒険行でとても面白い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海の本
- 感想投稿日 : 2009年10月24日
- 読了日 : 2009年10月24日
- 本棚登録日 : 2009年10月24日
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コメント 1件
73chさんのコメント
2012/08/16