初ディレーニー。うーん、むずかしい。描写されているシーンはわかるのだけれど、それが何を意味しているのか読み取るのかむずかしい。
マイノリティーと犯罪者、半端者、不愚者などごちゃ混ぜに描かれていて荒んだ底辺の世界が描かれていることが多く共感なんてものは軽く吹き飛ばされます。バラードのような抽象絵画的なものでもなくゼラズニイのようにスタイルでキメるでもなく謎で若干不快。著者自身が黒人であり同性愛者。作品の発表時代は60年代から70年代でまだまだ露骨な差別もあったことと思いますが、それを汲み取ったとしてもディレニーのハードルは高いぞ。一度読んだだけではよくわからないけど、もう一度読みたくなるか?というとそうでもない作品が多いのがこのハードルの実態か。しかし、著者によるあとがきが素晴らしい。このような創作過程を経て作品は出来上がってくるのだなと、また自分が文章と向き合う時に必要な姿勢なのだなと痛感。だからといって面白いものが出来上がるかは別の話というのが世の中の恐ろしいところ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF
- 感想投稿日 : 2024年4月19日
- 読了日 : 2024年4月19日
- 本棚登録日 : 2024年4月19日
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