リグ・ヴェーダ讃歌 (岩波文庫)

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  • 岩波書店 (1970年5月16日発売)
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造物主よ、いかなる願望をもって、われらが汝に供物を捧げても、それを叶えてくれ。願わくは、富の主たらんことを。p.318▼勝利をもたらす献供により、祈禱主よ、われらに主権のために勝利を得させてくれ。p.389▼もし寿命尽き、この世を去り、あるいは死の近くに赴いたとしても、われは彼を破滅の膝よりつれ戻す。生きよ、百秋のあいだ健康を増進しつつ、百冬のあいだ、百春のあいだ。p.363▼寛裕なる神よ、われら願わくは幸運に満ちた者たらんことを。常に祝福により、われらを守れ。p.140『リグ・ヴェーダ』BC13世紀 ※アーリヤ人。

宇宙の根本原理(ブラフマン)と自己の本質(アートマン)は同一である。人間の呼吸は宇宙の息吹(風)と通じている。ブラフマンとアートマンの合一。梵我一如ぼんがいちにょ。修行や瞑想による輪廻転生からの解脱。▼バラモンは来世でもバラモン。下層民は来世でも下層民。『ウパニシャド』BC6世紀
※アートマンはサンスクリット語で「呼吸」の意味。インド・ヨーロッパ語であるドイツ語では今でも「呼吸」をatmen(アートメン)という。

沈黙と孤独の中に力強い活動力を見出し、力強い活動力の中に沈黙と孤独を見出せ。苦と楽を平等に見よ。土塊と黄金を等しいものと見よ。非難と称賛を同一視せよ。すべての欲望を捨て、願望なく、「私のもの」という思いなく、我執なく行動すれば、その人は寂静(じゃくじょう)に達する。寂静に達した人はブラフマンと一体となる。▼主体(個我)はこの身体において、少年期、青年期、老年期を経る。そしてまた、他の身体を得る。賢者はここにおいて迷うことはない。個我は存在するが、身体は存在しない。個我は殺されることがない(永遠に存続する)。cf. 仏教「永遠不変の我なんてない」。『バガヴァッド・ギーター(神の歌)』BC5世紀~BC4世紀
※ヒンドゥー教の聖典。サンスクリット語。マハーバーラタの一部。

魔王に幽閉された妻を英雄ラーマが助けに行く。『ラーマーヤナ』BC2世紀

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*ブラフマー。創造神。仏教に入り梵天。天部の最高位。
*ヴィシュヌ。仏教にはいり那羅延天ならえんてん。
*シヴァ。魔神。破壊神。仏教に入り大黒天。戦国武将が勝利を祈願。

最高神は、ブラフマーとして世界を創造し、ヴィシュヌとして世界を維持し、シヴァとして世界を破壊する。

*サラスヴァティ。河の女神。仏教に入り弁才天。芸能・技芸。女神。
*ヴァイシュラヴァナ。仏教にはいり毘沙門天。四天王では多聞天。
*ラクシュミー。美と幸運の女神。仏教に入り吉祥天。毘沙門天の妻。

*インドラ。軍神。武勇神。暴風雨。仏教に入り帝釈天。
*アスラ。幻力、呪力に富む神。後に悪魔(阿修羅)の通称に。帝釈天との死闘の場を修羅場という。

*アグニ。火の神。
*スカンダ。軍神。仏教に入り韋駄天。
*ガンダルヴァ。天上の楽師。水の精女アプサラスの配偶。
*ソーマ。神酒。栄養と活力を与える。寿命をのばし、霊感をもたらす。
*ヤマ。死界の王。死者の王。仏教に入り閻魔。最初の人間。妹ヤミー。

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カテゴリ: 世界史
感想投稿日 : 2023年4月28日
本棚登録日 : 2023年3月29日

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