Chemical Secret: 1000 Headwords (Oxford Bookworms Library)
- Oxford Univ Pr (Sd) (2007年11月15日発売)
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貧しい父子家庭の環境学者が、塗料製造会社で川に流す廃棄物の安全証明の仕事を得て良い暮らしを手に入れるが、廃棄物の安全性に疑問が生まれて…という、組織の不正義のなかで何もできなかった男の悲しい物語。
塗料会社が廃棄物を流してる川で、廃棄用パイプを無断で塞ぐ過激な環境運動に主人公の妊娠した娘と環境ジャーナリストであるその夫が参加してて、娘が溺れて川の水を飲んだことをネタに、「本当は汚染してたんでしょう?娘さんが心配でしょ?」と主人公は弁護士に追求されるんだけど、弁護士は娘とそのお腹の子を思う父の気持ちを逆手にとって卑怯だし、娘夫婦はパイプ勝手にせき止めるという犯罪行為するし、しかも妊娠中に汚染されてると自ら主張してるところに近づくし、それで逆恨みして主人公と音信不通。娘の夫についても、過激な環境運動にのめり込む人の記事がまともとは思えないんだが、ジャーナリストとしてどうなのか。まぁ、主人公は許されないことをしたのではあるが、主人公以外の登場人物がどうしようもなく、不正義に加担してしまった主人公が一番人間臭く、感情移入できるという皮肉。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年1月23日
- 読了日 : 2016年1月23日
- 本棚登録日 : 2016年1月23日
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