嫌われる勇気

  • ダイヤモンド社 (2013年12月12日発売)
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感想 : 544
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何年か前に話題になった本。本のタイトルから、コミュニケーション方法はこうしましょう。というような提言本かと思いきや、かなり哲学的でした。今までの自分の考えと全く異なる考えだったので、完全に理解した訳ではないしそうしようと思った訳ではないが、アドラー心理学の考えを知れてよかった。
 アルフレッド・アドラーが提唱したアドラーの心理学を哲学者が青年に対話を通じて説明するという形式。青年がアドラーの考えに対して反発する箇所がまさに疑問点として感じるところが多く、それに対して哲学者が回答するので、自分が感じた疑問点に回答してくれているようで分かり易かったです。特に承認欲求を否定し、他者から承認されることを求めるのではなく他者貢献という考えが幸せになるという考えが衝撃だった。アドラー心理学はあくまで自らを変える場合で、他者をモチベートさせるや変える場合はフロイト心理学の方がいいのかなぁと感じました。

メモ
・アドラー:目的論(今の目的が先にあってその目的を達成する手段として感情を起こしている。自ら選択できるもの)
・フロイト:原因論(過去の経験が原因で今の感情を起こしている(トラウマ)。)
・ライフスタイル(人生のあり方)は、10歳前後に自ら選びとるもの。再び自分で選び直すことも可能。
・わたしたちの文化においては、弱さは非常に強くて権力があるため、自らの不幸を武器に相手をコントロールしようとする。
・健全な劣等感は他者との比較ではなく、理想の自分との比較から生まれるもの。対人関係の軸に競争があると対人関係の悩み、不幸から逃れられない。嫌われる勇気、普通であることの勇気。
・競争ではなく仲間と考えれば他者の幸福を祝福できる。
・承認欲求を否定する。他者から承認されたいというのは自然な欲求だが、他者から嫌われることを恐れていると自分の生き方を貫けない。共同体にとって有益と思えた時に自らの価値を実感できる。他者評価ではなく自ら思うこと。
・子供の課題は口出しせずに援助のみを行う。叱ってもいけないし、褒めてもいけない(縦の関係を作らない)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 心理学
感想投稿日 : 2018年5月24日
読了日 : 2018年5月24日
本棚登録日 : 2018年5月24日

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コメント 1件

jangoさんのコメント
2018/05/29

同感です。
青年はまさに、自分。
自分が疑問に思ったことを、青年は代弁してくれているようで、完全に理解できたとは言えないけど、とても分かりやすかった。
時間を置いて、もう一度読み直したらより深く理解できそう。

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