まさか、牧野富太郎を池波正太郎が描いていたとは。
少年のようなクリクリした眼が印象に残ったとのこと。らんまんとも通ずるポートレート。
その帯に惹かれて広島空港で購入。
短編集ながら、かなり刺さる言葉が多い。
読み始めた時には、面白く無いと思っていた三根山の短編も、真摯な力士の肖像が立ち上がり、作者の眼差しもよく理解できる。
そして、武士の紋章 滝川三九郎の話。
武士たるものの一生は束の間のこと。何処にて何をしようとも、ただ滝川三九郎という男があるのみ
その境地にて、粛々と俺のすることを為すのみと生きたいものだ。
御報謝するという言葉も初めて知り、そうした心意気を粋に感じる。
そして、こうした作者の美学と眼差しで語られる真田太平記も、読んでみたいと思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年11月3日
- 読了日 : 2023年11月3日
- 本棚登録日 : 2023年11月3日
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