おれたちの故郷

著者 :
  • 集英社 (2014年6月26日発売)
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感想 : 34
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「おれのおばさん」シリーズ4冊目 第1部完結編となる
全4冊とも装丁は、抜けるような青空で、この装丁にも惹かれていたのだが、この巻の一節にこんな描写があった

「三年前の五月に初めて札幌に来た時、おれは空の広さに心を奪われた。おれはこの街に救われた。あこがれて北海道にやってきたわけじゃないけど、おれは札幌の空に救われたんだ。この広い空があるから、おばさんだってなにがあってもへこたれなかったんだ」

青空の装丁は、ここからきているのかなと思った
札幌の広い空は陽介やおばさんの生きていく拠り所なのかもしれない

相次ぐ地震で魴鮄舎も耐震基準を満たしていないということで、取り壊しの危機が・・・

「わたしたちは、魴鮄舎があったから、恵子おばさんがいたから、親と暮らせなくても強く生きていこうと、心の底から思えるようになったのです。誰だって家族と暮らしたい。でも、家族と暮らせない不幸をおぎなってあまりある喜びを、魴鮄舎は与えてくれました
広い海を泳ぐ鮭がいつか故郷の川に帰ってくるように、わたしたちは決して魴鮄舎を忘れません。わたしたちにとっては、魴鮄舎こそが故郷なのです!」

魴鮄舎を守ろうという一大ムーブメントを起こす陽介や卓也たち

NHKの朝の連ドラみたいな話だった
4冊続くと、毎回前のおさらいみたいな重複するところが多く、ちょっとしつこい感じは否めないが、人々を惹きつけてやまない恵子おばさんのパワーは半端ない



読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年1月24日
読了日 : 2020年1月24日
本棚登録日 : 2020年1月23日

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