エデン

著者 :
  • 新潮社 (2010年3月1日発売)
3.96
  • (274)
  • (620)
  • (270)
  • (22)
  • (3)
本棚登録 : 2283
感想 : 484
4

あれから3年、白石誓はスペインのサントス・カンタンを経て、フランスのチーム、パート・ピカルデイに在籍している

昨年のプエルタ・ア・エスパーニャ、今年はツール・ド・フランスと日本人が今まで数人しか走っていないグラン・ツールに二つも出場することになる

ツール・ド・フランスは三週間かけて3000キロメートル以上を走る過酷なレースだ
その間にはピレネーとアルプスの山越えもある

大会の数日前にスポンサーが撤退、パート・ピカルデイは解散することが決まっていた 次の移籍先を見つけるためにはこの大会でのアピールが重要な鍵となる

そんな時、監督からレース展開に関して思いもかけない戦略を提案される
それは、同じチームのエースをアシストしてきた白石にとっては耳を疑いたくなる提案だった

レース中の駆け引き、探り合いは、胃が痛くなりそうだが、その緊張感が読んでいておもしろい

ロードバイクレースというのは、違うチームであっても利害が一致すれば、共同戦線を張り、一緒に戦う。敵であっても騙し討ちのような卑怯な勝ち方をする者はいない紳士のスポーツのようだ

そしてレースが終われば、敵同士ではあっても同じ道程を行く仲間であるという

TVでいいから、実際のレースの様子を見てみたくなった





読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年4月13日
読了日 : 2022年4月13日
本棚登録日 : 2022年4月9日

みんなの感想をみる

ツイートする