その後のツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫 ほ 5-3)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス (2009年4月30日発売)
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「ツレがうつになりまして」の第二弾
タイトルを見て、おっちょこちょいの私は、快復されたツレさんがまたうつになられたのかと早とちりしたが
そうではなかった

前作の後、いろんな方面から続編を出して欲しいとの声があったらしいが、てんさんは第二弾を出すとツレさんのうつが永遠に治らないのではないかと渋っておられたそう

でも薬の服用が終わり、着実に社会復帰されていくツレさんを見て、「うつ病は治る」ことを伝えなくてはとこの本を書かれたそうだ

確かに、この本では、僅かな揺り戻しのような感じはあるが、着実に前を向いて進んでおられる様子に驚かされた
むしろ、そんなツレさんを側で見ているてんさんが、大丈夫?無理しなくていいんだよ。と心配、オロオロされている

一番興味深かったのは、 
ツレさんの病気をする前、病気中、病気後の暮らし方の変化
順風満帆の会社人間だった頃とは、見える景色や見えるものが違ってきたのだろう
今まで見えなかったものが見え、気づかなかったことに
気づくことができたのは怪我の功名ともいうべきことだ

あとがきでツレさんが
「相棒がツレさんの病気を隠さず、人の生きている一つの形なのだと僕に胸を張って生活するように態度で示していてくれた
病気になったことは恥ずかしいことでもなんでもない
と言い続けてくれたことが結果的にとてもありがたかった」
と書かれていた
「健やかなる時も病める時も〜」の結婚式の誓いの言葉が文中でも出てきたが、こんな時こそ夫婦の本質が出てくる
勉強させていただきました

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年7月12日
読了日 : 2023年7月12日
本棚登録日 : 2023年7月11日

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