横柄巫女と宰相陛下 金色の悲喜劇 (小学館ルルル文庫 あ 2-4)

著者 :
  • 小学館 (2009年12月1日発売)
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感想 : 6
3

二人組の作家さん鮎川はぎのさんのデビューシリーズ。
何がいいって、刊行ペースが速い。5月刊デビューで、12月に4巻が出ているので、ストーリーを忘れないうちに続きが読めるのはうれしい限り。
物語は、不器用で人づきあいが苦手な見習い巫女ノト、弟の戴冠式のためノトの神殿にやってきた、宰相のカノン。”横柄巫女”と”宰相陛下”の二人は、その不器用さから、有能さとは裏腹に、周りからは煙たがられる存在。王家の陰謀に巻き込まれ、閉じ込められた二人は、脱出のために力を合わせる。実は二人が脱出したルートこそ、王と王巫女へ課される儀式であった。
ここまでが1巻の内容。
2巻以降は、舞台を王都や御幸先へ移しながら、周りのおバカな人間の欲と陰謀に巻き込まれながらも、二人が協力して解決していくストーリー。

一人でもいいと思っていた二人が、次第に強い絆で結ばれていく過程が描かれています。ノト程横柄ではないなと思いながらも、他人を理解していくプロセスには、共感すること多数。

そして、いずれ二人の間に芽生えていくであろうラブの行方も気になるところです。今回のラストシーンで、”お互いのそばにいたい”と確認した二人。
実は王であるカノンは結婚できるのですが、王の巫女は、王の在位中はその座を降りることができないという制約があり、当然巫女の結婚はタブー。そういった障害を乗り越えて、二人の関係はどこに落ち着くのか、見守りたいですね。

通称”犬”こと初代国王”シリウス”や、巫女仲間?のリリィなど、賑やかし要因も脇を固めており、飽きることなく読めます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ルルル文庫
感想投稿日 : 2010年1月29日
読了日 : 2010年1月29日
本棚登録日 : 2010年1月29日

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