屍者の帝国

  • 河出書房新社 (2012年8月24日発売)
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若くしてこの世を去ったSF小説家・伊藤計劃の遺稿を元に、盟友・円城塔が執筆した作品。

死体を蘇生させ、"屍者"として労働力に供する技術が発達した、19世紀末の世界が舞台。英国諜報機関・ウォルシンガムの一員となった主人公・ジョン・ワトソンは、ロシア軍人・カラマーゾフが屍兵を引き連れてアフガニスタン奥地に築いた『屍者の王国』の調査に向かう。そこから始まる、"屍者"を巡る物語。"屍者"とは?"意識"とは?"魂"とは?

伊藤計劃の遺志を継いだ作品ということで、彼が生前に執筆した『虐殺器官』や『ハーモニー』の要素が詰まっている印象。円城塔の著作を読むのは初めてだったが、どうにも自分にはこの著者の文体が合わなかったようで、なかなか内容が頭に入って来ず、読んでいる途中で何度も寝落ちしてしまった。"屍者"技術が発達したスペキュレイティブ・フィクションの世界観、世界中を巡りながら真相に迫っていく(まさに)『007』シリーズのような展開、"意識"に対する考察(...etc)、思い返しても面白い設定・内容だったと思うのだが、残念ながら読中・読後の満足感はイマイチだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年9月26日
読了日 : 2021年9月26日
本棚登録日 : 2020年6月13日

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