3びきのくま (世界傑作絵本シリーズ)

  • 福音館書店 (1962年5月1日発売)
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本棚登録 : 1720
感想 : 145
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イギリスのむかしばなし。

女の子が、森で道に迷って、誰もいない家に入り込みます。
この家は3びきのくまの家なのですが、くまたちは散歩に出ていて不在です。
女の子は、家の中で大きなおわんのスープと中くらいのおわんのスープと小さなおわんのスープを見つけ、小さなおわんのスープを全部飲んでしまいます。
また、大きないすと中くらいのいすと小さないすをみつけ、小さないすを壊してしまいます。
さらに、おおきなベッドと中くらいのベッドと小さなベッドを見つけ、ちょうどよい小さなベッドに入って眠ってしまいます。
そこへ3びきのくまたちが帰ってきて…。

3びきのくまは、おとうさんぐまのミハイル・イワノビッチ、おかあさんぐまのナスターシャ・ペトローブナ、くまのこのミシュートカという名前。
どこからどこまでもロシアンな名前が迫力ありますね。
イギリスのむかしばなしなのになぜロシア?
このバージョンは翻案がトルストイだからでしょう。
トルストイ…『戦争と平和』の…!?なぜに??
なぜかはわかりませんが、イギリスなのかロシアなのか混乱しますね。

イギリスバージョンでは、女の子の名前はゴルディロックスというらしいです。
そして、『1つ目のお粥は「熱すぎる」。2つ目のは「冷たすぎる」。3つ目のは「ちょうどいい」ので、全部飲んでしまう。』というように、小さいくまのものが全部「ちょうどいい」ということで、ほどよい経済の加減を「ゴルディロックス相場」と言ったり、宇宙で生命の生存に適した宙域を「ゴルディロックス・ゾーン」と言ったりするそうです。おもしろ~。

絵本としては、文字量多いな~という感じです。
3びきのくまたちが帰ってきて、あらされた部屋に1匹ずつ反応していくさまを、大きな声、中くらいの声、小さな声で読み分けるのはちょっと楽しい。
全体的には、無作法な娘っ子に家を荒らされるんだけど、くまのこが一番被害が大きくてかわいそうーって感じの話です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2020年5月25日
読了日 : 2020年5月25日
本棚登録日 : 2020年5月24日

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