本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2011年10月21日発売)
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本棚登録 : 2011
感想 : 259
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いつか自分に子供ができた時、また開きたい。そう思う。と、実は、その前に、今すぐ読みたい児童文学が数冊ある。これまでまったく興味などなかったが、宮崎駿監督のユーモアたっぷりの紹介文に心を惹かれ、特ににムギと王さまの、『どれもキラキラしていてクリスマスツリーのようです』このフレーズにくすぐられ。一冊ごとに、宮崎駿監督のルーツを学べる。50冊全て読めるとはおもわないが、数冊を読むだけでも、ジブリの作品の見方が変わると思う。休日に、ジブリをBGMに、ユッタリとした気持ちで読んでほしい。まったくわすれていた童心が、ひょこっと顔をだし、まったく変わった自分の顔におどろきながら、たまには戻ろうかな・・・。そんな気持ちになる。なにより、ジブリの作品が見たくなる。

・現在は、写真も映像もあふれかえっていますから、一枚の絵を丹念に読みとる習慣を失っているんだとおもいます。

・サブカルチャーというのはさらにサブカルチャーを生むんです。そして二次元的なものを生むときに、二分の一になり、さらに四分の一、八分の一になり、どんどん薄まっていく。それが今です。

・電気がとまり、映像がとどかなくなり、情報がなくなったりすれば、当然ひどく不安になり、病気になら、死んでしまうかもしれない。それでも世界はあるんです。このややこしくも複雑な世界で生きていくにはいっぱいはいらないけど、本があってほしい。この世界について書いた本があるといいなた思います。但、資本論のように難しくなくわかりやすい本。

・僕は豆本の文章を、基本的に、一人の読者を想定して書いたんです。

・ほんとうを言うと、本はいっぱいは要らない、50冊じゃなくて一冊あればいいともおもっているんです。

・今の世の中全体のことで、政治がどうとか、社会状況がどうとか、マスコミがどうのこうのということじゃなくても、自分ができる範囲で何ができるかってかんがえればいいんだと思います。それで、ずいぶんいろんなことが変わってくるんじゃないでしょうか。

・本を読むから考えが深くなる、なんていうことはあまりかんがえなくてもいいんじゃないでしょうか。本を読むと立派になるかというとそんなことはないですからね。読書というのは、どういう効果があるかということではないですから。それよりも、こどものときに、自分にとってやっぱりこれだという、とても大事な一冊にめぐり逢うことのほうが大切だとおもいます。

・生活するために映画をつくるのではなく、映画をつくるために生活するんです。

・今、映画は過剰になりすぎているのです。

・僕らの課題は、自分たちのなかで芽生える安っぽいニヒリズムの克服です。

ニヒリズムとは
1、すべてが無価値・偽り・仮象ということを前向きに考える生き方。つまり、自ら積極的に「仮象」を生み出し、一瞬一瞬を一所懸命生きるという態度(強さのニヒリズム、能動的ニヒリズム)。
2、何も信じられない事態に絶望し、疲れきったため、その時々の状況に身を任せ、流れるように生きるという態度(弱さのニヒリズム、受動的ニヒリズム)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 娯楽
感想投稿日 : 2011年11月8日
読了日 : 2011年11月8日
本棚登録日 : 2011年11月8日

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