人間にとって科学とは何か (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社 (2010年6月25日発売)
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なぜ読んだ?:
高校の現代文の教科書に載っていた文章の中で最も興味があったものの底本を読むことにした。
科学論・科学技術論・科学哲学といったテーマの本を読みたかったのでちょうど良いかなとも思った。


内容をざっくり:
科学の成立、西洋と日本
社会の変化をもたらすネオタイプの科学
医療、生命倫理、安全・リスク
科学の合理性と社会の合理性の違い、社会における意思決定と科学の関係
私たちにとって科学とは何か。結局、科学者も社会も、相手を尊重することが大事。そのためにも、科学リテラシーの向上が重要。
知識のための知識も大事にしよう。人間にとって科学は必要だ。


感想総論:
科学史や、科学哲学の話はほんの少しだけ。
科学と社会の関わりについて、近年の事例をあげつつ説明されていた。
科学は価値観に立ち入らない話や、専門家の意見とと社会の「常識」の兼ね合いによる意志決定の話は近年の新型コロナのニュースに通ずるものがある。
「常識」概念は、『教養としてのテクノロジー』での「センシティビティ(肌感覚)」概念や『バカの壁』での「常識」概念に近そう。
科学コミュニケーションモチベが上がった。


今後の展望:
科学と社会について1つ読めたので、科学哲学・科学史の本を読んで、科学とは?ということについて考えたい。
科学という枠組み、科学研究の構造について興味がある。クーンのパラダイム論など。
『科学哲学への招待』『科学革命の構造』あたり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学論・科学哲学
感想投稿日 : 2020年6月24日
読了日 : 2020年6月24日
本棚登録日 : 2020年6月7日

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