九十九十九 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社 (2003年4月7日発売)
3.30
  • (62)
  • (79)
  • (253)
  • (37)
  • (15)
本棚登録 : 833
感想 : 116
4

10年ぶりに再読。
圧倒的なスピード感は、やはり初期の作品だからこそ。こじつけにこじつけを重ねた見立てのメタメタストーリー。九十九十九=αΩαΩαというのは、根拠自体も間違ってるこじつけであって、読者がよく知らないことなら分からないだろうという、もはや隠し球のような表現で笑った。
しかし、ムンクの「アルファとオメガ」という一連の作品を見ていくと、キリスト教的観念で、α=始まり、Ω=終わりと考えられる。そうなると九十九十九=始まりの終わりの始まりの終わりの始まりで、二度世界が終わり再び開かれるのだといえる。そうであるならば、この章構成も確かに九十九十九であるといえるのではないか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説:作家名ま行
感想投稿日 : 2018年4月16日
読了日 : 2018年4月16日
本棚登録日 : 2018年4月16日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする