インサイド・ヘッド MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
- ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
人間の頭の中の世界を、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、といった「感情」のキャラクターたちが織りなす世界線で描き出そうという発想が素敵だと思います。実際には人間のマインドの仕組みというのはめちゃくちゃ複雑だと思いますし、感情という大脳の原始的な領域から、理性であったりの高次の次元までが相互に影響しあい、そこに記憶や学習の回路も絡み合って…という、超複雑かつ未解明な部分も多い世界ですから、相当チャレンジングな意欲作だと感じます。本作では、そこを非常にシンプルに落とし込むことでわかりやすく表現しながら、「イマジネーションワールド」とか「思考の列車」など想像力豊かに楽しく創作されていました。カナシミという一見ネガティブな感情も、人間にとって実は大事な存在なんだというところが、本作の一つの軸であったように思います。
ハッピーエンドで上手く着地する物語ですが、オチのパンチ力はちょっと弱いかなと思ってしまいました。舞台設定が壮大すぎるだけにそう感じるのかもしれません。しかしそれだけにまだまだいくらでもパート2、パート3と作っていける可能性をもっているテーマであり世界観だと思います。
そして吹き替えの声優さんたちはとっても素晴らしかったです。一流でした。
余談ですが近年のディズニー・ピクサー作品では、作中に出てくる例えばポスターの文字だったり看板の表記であったりをいちいち日本語に置き換えて見せていますが、これ、とても微妙だなと感じます。もちろん小さな子どもにもわかりやすいようにという配慮もあってのことだと思いますが、例えば本作でいえば作中の映画ポスターのタイトル『world of birds』を『トリの世界』というふうに日本語表記に変えてしまうと、雰囲気として随分しぼんでしまう気がするのです。このあたりは日本人にしかわからない感覚なのかもしれないですね。
- 感想投稿日 : 2024年3月11日
- 読了日 : 2024年3月10日
- 本棚登録日 : 2024年3月10日
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