ゴミ箱みたいな短編集だと思った。
それはこの小説がゴミのようなのではなく、女の自分が、見たくなくて目を逸らしたまま捨ててきた色んな感情が、この本の中にあったからだ。
ここに出てくる5人の愚かな女性たちは、わたしが現実に知っている人たちとどこか似ている。そう思いながら読んでいた。誰だろうと考える。朧げながらそのシルエットは浮かぶが、気まぐれな真冬の暖かい湿った朝靄の向こうに立っているようでよく見えない。
はっきりしない。
子どもの時は「大人になったら、結婚して子どもを産んで家族を作る」それが当たり前だと思っていた。普通の家庭に育ったわたしは、それは努力せずに手に入る最低限の約束された未来だと信じていた。だけどそれが自分に訪れることがないと分かった今、立ち止まって振り返ること以外、一体何ができたんだろうと考える。
こういう小説は苦手だ。
不愉快なしこりだけが残る。
とてもよい本だとは思うけど、もう二度と読まない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年12月21日
- 読了日 : 2019年12月21日
- 本棚登録日 : 2019年12月19日
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