北方の原形 ロシアについて (文春文庫 し 1-58)

著者 :
  • 文藝春秋 (1989年6月10日発売)
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感想 : 79
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ロシアの発展と隣国(モンゴル、中国、そして日本)との関係史について紐解いていく流れ。
ロシアが、未知の世界を開拓したいとシベリアへ乗り出したことは自然な流れ。でもいわゆるこれが運の尽きか、手を出したことがきっかけで、隣国との関係が悪い方に動き出してしまったのかなと感じた。だからと言ってロシアを嫌うでもなく、あくまで歴史の流れに沿ってロシアという国を浮かび上がらせる書き方に感動した。むしろ大正〜昭和にかけ、ロシアに反発するように膨張してしまった日本を恥じているのも伝わる。
最後に。読み終わった2023年、出版の1989年から30年以上経つのに今のことを話しているかのようなリアル感。芯をとらえた本は長生きだなあと感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年2月2日
読了日 : 2023年2月2日
本棚登録日 : 2023年1月9日

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