原題は「thanks for sharing」である。邦題の「セックス依存」に引きずられてちょっとはエロスがあるだろうと期待していたが、残念ながら青少年向けと言っていいほど真面目なストーリーである。「sharing」とは「分かち合い」を意味し、依存症当事者ブループで使われる12ステップという回復ツールを有効にするための重要な鍵となっている。しかしこれはおそらく本作のメインテーマではない。ストーリーは三者のサブストーリーが同時進行していくものだが、それぞれ二者間で互いに影響し合いながら回復していくプロセスである。つまり、自他の相互変化を無意識にshareし合いながらリカバリー(有害な嗜癖行動から離れていく)していくプロセスである。すなわち、無意識がコミュニケーションの本質であり、それがリカバリーの鍵となっている。これが自助グループの本質であり、本作の訴えたいことであろう。
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- 感想投稿日 : 2015年3月28日
- 本棚登録日 : 2015年3月28日
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