下巻では、コンゴ(アフリカ)、日本、アメリカを軸に展開が加速し、そのスケールの大きさや躍動感が増す、秀逸の超弩級エンタメ小説と言えます。
○ピグミー族の驚くべき知能をもった3歳児は、超人類として人類を支配するのか、それとも人類が抱える諸問題の救世主なのか? 共存か排除か?
○人類は、国家間・民族・宗教対立など、どこまで戦争殺戮を繰り返すのか?
○イエーガーの部隊はコンゴを脱出できるのか?
○研人は、不治の病の特効薬を完成できるのか?
これらの関係が徐々に濃密に増幅し、スピード感を含め伏線に伏線を張った展開に、ハラハラドキドキ感は上巻以上です。実に面白く読み切りました。
文庫上・下巻計800ページは、無駄のない充実した読書タイムにつながり、読了後に満足感・充実感に浸っていました。
人間の、残忍・醜悪な側面と慈悲深さ・崇高な側面を考えてしまいました。本来、多面的な要素を持ち合わせている人間だからこそ、読み手は心を揺さぶられます。また、科学技術の進歩に伴って、生き方としての「不易と流行」も考えるよい機会となりました。
「ハイズマン・レポート #5 人類の進化」は、私たちへの警鐘でしょうか?
未読の方がいらっしゃいましたら、超おすすめです!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2023年4月1日
- 読了日 : 2023年4月1日
- 本棚登録日 : 2023年4月1日
みんなの感想をみる