【旧版】深夜特急1 ー 香港・マカオ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1994年3月30日発売)
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本棚登録 : 11702
感想 : 1291
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 GW何処か行ったぁ?(行けてませんが、それが何か?)せめて気分だけでもと、本書を手にしました。

 1986年に『深夜特急 第1便』として刊行。第3便まであり、文庫としては6冊の分冊化で出版、本書は第1便の前半部分とのことです。
 本書刊行後、若者が低予算で予定を立てずに自分探しの旅に出るという、いわゆるバックパッカー間でバイブル的な書となり、 80〜90年代の個人旅行流行の一翼を担ったとか‥もはや伝説ですね。

 ネットもスマホもない時代に、よくもまぁこんな行動を‥というか、こんな時代ならではの〝熱量〟がひしひしと伝わってきます。下手に描けば全く不毛な表現になるのでしょうが、沢木さんの筆致は真逆で、街の息吹や人の生き様の濃密さに痺れます。
 現代だと、スマホ一つで交通手段から宿泊先手配、決済までスマートにできるので、こんな無謀な旅はなくなりつつあるのかもしれません。便利さの陰の味気なさを少し感じてしまいます。
 それにしても、デリーからロンドンへの紀行なのに、まさかのその手前の香港・マカオ止まりの本書‥。この先、どう展開するのでしょうか?

 異文化でほぼ頼る人のいない状況下に身を置き、自分で考え、判断し、実行に移し、困難を乗り越えていく経験は、きっと貴重な財産となり、将来何らかの役に立つ場面が訪れるのでしょうね。
 歳を重ね守りに入るともうダメです。新たな挑戦意欲が徐々にしぼみ、言い訳ばかりで若かりし日を懐古するだけのお荷物(私です)では、やり直しは効きません。

 そーなんです! 本レビューを読んでくださっている若い皆さん! 立ち回りの上手い、要領だけ良いような大人にならずに、頑張って茨の道を進んでください。そして周囲に愛を!(何なの、アンタ!)
 「ほら来たよ、年配者の説教‥。
        小さな親切大きなお世話!」
 徒然なるままの独り言でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年5月3日
読了日 : 2023年5月3日
本棚登録日 : 2023年5月3日

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コメント 8件

hibuさんのコメント
2023/05/04

おはようございます!
第1巻はスタート地点のデリーにも行きませんが、最も濃密でワクワクが止まらず、このシリーズにハマったキッカケでした^_^

これから古き良き時代の旅へのタイムスリップをお楽しみください♪

NO Book & Coffee NO LIFEさんのコメント
2023/05/04

hibuさん、おはようございます♪
コメントありがとうございます。
『深夜特急』は、発刊からかなりの年月を経ても経年劣化を感じさせないですね。
続きが気になるところですが、積読本が大挙をなしてこちらを覗っており、どうしたものかと‥。その中には沢木耕太郎さんの別本もあり‥。困ったものです。
気長に取り組んでいきたいと思います。

hibuさんのコメント
2023/05/04

ごゆっくりお楽しみください♪

ちゃたさんのコメント
2023/05/04

こんにちは。
こちらの本、私も大ハマりで全ての人に読んでほしいです。
「深夜特急ノート」というのも出ていまして沢木さんの旅の原点があって面白かったです。

NO Book & Coffee NO LIFEさんのコメント
2023/05/04

ちゃたさん、こんにちは♪
ご紹介ありがとうございます。存じ上げませんでした。
機会を見つけて読んでみたいと思います。

aoi-soraさんのコメント
2023/05/05

こんにちは
長期休暇にふさわしい本ですね!
久しぶりに体の中に熱風が吹いた感じがします
素敵なレビューをありがとうございます♪
私も20代の頃に夢中で読みました!
「深夜特急ノート」は未読なので読んでみたいです。

ちゃたさんのコメント
2023/05/05

深夜特急ノートは、深夜特急の原点であり、アナザーストーリーと言った感じで楽しめました。旅に出たくなります(^o^)

NO Book & Coffee NO LIFEさんのコメント
2023/05/05

aoi-soraさん、こんにちは♪
コメントありがとうございます。
時間が経過して再読すると、また印象が変わったりするものですよね。読みたい本だらけの時に、人生で再読本はどれだけあるのか‥、うーん、悩みますね。
GW後半、ご自愛を!

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