本作は2008年刊行、中田永一さんのデビュー作(乙一さんデビュー12年後?)とのこと。同一人物の名義違いデビュー作、ホラーと恋愛の違いや如何に! と勝手な興味・関心で手にしました。
本作には4つの短編が収められており、全部独立した作品として楽しめます。共通点として、主人公が高校生であること。それも目立たず自己肯定感の低い人物だということが挙げられます。なので、若い読者からみると自己投影しやすく共感度も高いのではないでしょうか? 青春が遠い過去の読者(おい、差別だろ!)でも瑞々しく〝映える〟気がします。
また、ひらがな表記が多いのも特徴で、若者対象の読みやすさへの功を奏しているとは思いますが、それ以上に文章表現のやわらかさと繊細さが伺えます。
さらに、ミステリー的な要素や斬新な設定、驚きの展開もあり、乙一さんっぽさを感じさせてくれる場面もあります。これらと、高校生の淡い恋愛感情の揺らぎ表現の巧みさが相まって、いわゆる、単なる恋愛ものとは一線を画していると感じました。
そうです。安心してください! この恋愛小説、甘過ぎないんです!
というわけで、中田永一さんのデビュー作は、乙一さんのデビュー作に負けず劣らずの素晴らしい作品でした。と言うか、名義違いによる作品を、変に勘ぐったり詮索したりするべきものではなく、ミステリーやホラー小説も恋愛小説も、2人の書き手として名手であることに間違いなし! ですね。
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- 感想投稿日 : 2023年3月17日
- 読了日 : 2023年3月17日
- 本棚登録日 : 2023年3月17日
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コメント 11件
チーニャ、ピーナッツが好きさんのコメント
2023/03/17
NO Book & Coffee NO LIFEさんのコメント
2023/03/17
チーニャ、ピーナッツが好きさんのコメント
2023/03/18
おびのりさんのコメント
2023/03/18
NO Book & Coffee NO LIFEさんのコメント
2023/03/18
チーニャ、ピーナッツが好きさんのコメント
2023/03/18
チーニャ、ピーナッツが好きさんのコメント
2023/05/02
NO Book & Coffee NO LIFEさんのコメント
2023/05/02
チーニャ、ピーナッツが好きさんのコメント
2023/05/03
NO Book & Coffee NO LIFEさんのコメント
2023/05/03
チーニャ、ピーナッツが好きさんのコメント
2023/05/03