昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)

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  • 平凡社 (2009年6月10日発売)
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一度通読しただけでは理解が浅い。
それでも長い昭和という時代の、まさに戦争へと至る流れは多少追えたかもしれない。
現実に沿った判断の出来ない意思決定者と、国民感情を煽るだけ煽ったメディア、そしてそれに踊らされるように突き進んでいった国民。
押し戻すことの出来ない時代の趨勢。その基盤となった日清日露戦争での戦勝と神国日本の神話。
それらがない混ぜになって着実に戦争に進んでいったのだと思う。
今またロシアは同様に、狂信的なプーチンの元、メディアは言論統制により画一的な情報のみを自国に流布し、国民の8割は指導者を支持しているという。
戦争へと至り、戦時を過ごすあり方は、やはり似ているものだと言える。
人々の命を大切に思い、より現実に沿った判断をし、メディアはより多様な事実を公平にかつ倫理的に報道し、国民は何が正しいか考える。
そうした小さなひとつひとつの実践こそが、平和を辛うじて維持していくために必要なことなのかも知れない。

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感想投稿日 : 2022年4月10日
読了日 : 2022年4月9日
本棚登録日 : 2021年8月27日

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