今年亡くなった報道を聞き、ジョブズや孫正義があこがれたという謳い文句に惹かれて読んだ。
シャープの佐々木正。こんなに気骨のある技術者が居たのかと。
海賊と呼ばれた男の出光左三はリーダー・経営者としての凄さを感じたが、
佐々木正は技術者として、しかも電子・情報という同じ業界の技術者で、
さらに人をつなぐ触媒というのは自分の理想像。その理想像を体現する人は
想像を超える生き様の人だった。
ジョブズとのやりとりの場面、その後ビルゲイツとの提携を知った佐々木の独り言
「君は独創的な人間だが、一人では世の中を変えられない。人類は共創で進歩してきたんだ。他人と手を組むんだ。」
「君の言うとおり、彼には足りないものがある。しかし君にも足りないものがある。だから共創するんだ。二人で世界を変えていくんだ。」
「そうなんだジョブズ。人類の進歩の前に、企業の利益など、いかほどの意味もないのだ。
小さなことにこだわらず、人類の進歩に尽くすのが、我々、技術者の使命なんだ。」
人と人との繋がりで新しい世界を切り開いてきた人だからこそ言える。電話一本で自社他者関係なく人をつなぐ。今、そんな人がいるのだろうか。企業の利益を上げるための競争の為に、相手に盗まれないようにと、自分の中や会社の中に閉じこもる。
それにしても、1970-80年代は激動で刺激的な時代だったんだろうな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ビジネス・経済
- 感想投稿日 : 2020年9月21日
- 読了日 : 2018年3月3日
- 本棚登録日 : 2020年9月21日
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