点と線 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1971年5月25日発売)
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本棚登録 : 5542
感想 : 590
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「ゼロの焦点」で初めて松本清張作品に触れ、それと並ぶ代表作と聞いて今回本作品を読んだが、また楽しませてもらった。
ゼロの焦点は、事件解決に禎子という素人が動いていき、そこまで出来てしまうのか?と少し上手くいきすぎている感があった。
本作品は、プロである刑事が事件解決していく点でよりリアルに感じられたし、最後のアリバイ崩し、そして私は思いもよらなかった犯人(共犯者)の登場に感心させられた。
敢えて疑問というか、おかしいなと思った点は二つ。
一つは三原がアリバイ崩しの調査の中で、犯人の移動手段として列車に拘り、飛行機という選択肢がなかなか思いつかなかった点。この時代に飛行機がまだ存在していなかったのかと思ってしまうほど、単純ミスに思えた。
もう一つは犯人の目星がかなり早い段階で分かってしまった点。ただ、こちらは解説で、この推理小説は「アリバイ破り」という作風なので、真犯人は読者には誰という前提で、あくまでもアリバイをどう崩すかが読みどころというで納得した。
また、別の松本清張作品にも手を出してみたいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年8月17日
読了日 : 2020年8月17日
本棚登録日 : 2020年8月17日

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