子どもは「この場所」で襲われる (小学館新書 260)

著者 :
  • 小学館 (2015年12月1日発売)
3.81
  • (8)
  • (21)
  • (11)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 207
感想 : 20
5

犯罪者の動機に焦点を当てる犯罪原因論が主流の日本に対し、アメリカ等では犯罪の起きやすい場所などに焦点を当てる犯罪機会論が主流。人は誰でも犯罪に繋がる動機の種は持ちうる。それが実行に移されるかどうかの確率は、機会があると高まってしまうというもの。
犯罪機会論に基づく防犯は、より現実的かつ合理的な方法だと思った。
確かに、不審者に気を付けろとか、知らない人についていくなとかは具体的現実的ではない。犯罪者は不審者とわかる格好はしてないし、子どもを巧みに騙して連れて行くもの。防犯ブザーなんかも、犯罪が既に起きてしまったときの対応な上、実行出来るか不安がある。
つまり、犯罪が起きやすい場所【入りやすく、見えにくい】に注意出来る景色読解力と、普段から知らない大人と話す時は主導権をしっかり握れる(ちゃんと情報を引き出せる)コミュニケーション能力を身につけておく必要がある。
内容はやや冗長なところもあるが、子どもを持つ親として必読書の一つだと思った。


メモ
◆入りやすく見えにくいところに注意
 ガードレールや植込の途切れた所、幹線道路から1本入った道、木々に覆われた公園、フェンスのない遊び場、男女の入口が隣接したトイレ
◆110番を依頼する場合は名指しで。あなた!と
◆110番のハードルは高くない
◆知らない人とも堂々と話す。様々な人と話をし、コミュニケーション能力、交渉能力(相手から情報を引き出す能力)を上げると騙されにくくなる。
◆知らない人とは話さないではなく、世の中にはいい人も悪い人もいると教える。
◆景色読解力。人は見た目ではわからないが、景色は見た目でわかる。
◆知らない人についていかないという事が強調されるあまり、一旦知った人になると安心してしまう落とし穴。宅配業者のユニフォーム、偽装ID。
→危ない場所で声かけられたら警戒。
◆自分が主導権を握る。自分の情報に基づく、自分から提案、自分から調べる。
◆割れ窓理論 少しの綻びから犯罪を呼び込む。地域の人々によって管理されていると感じられる雰囲気が犯罪防止に効果的

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 子育て
感想投稿日 : 2020年9月1日
読了日 : 2020年9月1日
本棚登録日 : 2020年8月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする