日々の生活に漂う閉塞感の正体を、村上龍が言葉にして表現してくれた。
年寄りの愚痴と捉えるか、かつての熱い若者からの提言と捉えるかはもちろん読み手次第だが、個人的には共感する部分が多かった。
人為的なバブル、すなわちアメリカの量的緩和(QE2)と、中国の経済成長8%維持路線が破綻した時、その嵐のような変革の中で、この国はどうなってしまうのだろうか。座して死を待つわけには行かないのだが…。
成長を謳歌するインド・中国の大卒ですら就職できないという現実を前にして、BOP(Bottom of Pyramid)市場が開拓されつくした後の資本主義の形に思いを馳せずにはいられない。かつてWWⅡ後にイギリスが直面した衰退を、日本に住む僕らもまた経験するのだろうか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2011年1月23日
- 読了日 : 2011年1月23日
- 本棚登録日 : 2011年1月23日
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