レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上 (岩波文庫 青 550-1)

  • 岩波書店 (1954年12月5日発売)
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感想 : 30
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レビュー400冊目。そこにレオナルドがくるとは、さすが、もってますね、レオナルドさんは。
レオナルドが気になったのは、親の影響かもしれない。そういうのはあまり認めたくないものだが、中高生くらいから知ってて、始めの記憶があまりないものは多くはそうだろう。もしくは授業とかだったか?
ついこないだ、ルーブルで15年ぶりとかのモナリザをみてきたけども、なんだかんだで、常にどこかで縁がある。
そんで、西洋思想史を辿るにあたって、ルネサンスを超えるときにレオナルドはスルーできない、やはり目配せくらいしていくべきだろう、と、手に取る。
それこそ高校生くらいのころにも読もうとしたが、この岩波文庫の漢字が難しくて読書が進まず、最初の人生論のあたりでやめた。
今、改めて読んでみると、ふんふん、なんとも隅から隅まで読むべきかは悩むのだけども、そこかしこをつまむことで、色々とレオナルドの景色は見えてくる。

・経験の弟子
ってやつは、ガリレオへ続く科学革命の予言の言葉

・権威を引いて論ずるものは才能を用いるにあらず、ただ記憶を用いるに過ぎぬ。
ってやつは、カントの啓蒙につづく勇気を与えてくれる

・数学の至上の確実性
これは、ここまで断言してたのか、と驚く

・欲望を伴わぬ勉強は記憶をそこない、
これはどきり

・十分に終わりのことを考えよ。まず最初に終わりを考慮せよ。
これぞ、あらゆるプロジェクトマネジメントの真髄

・p49にて、ルクレティウスをひいているのにも驚いた。


文学の章も、ほとんど読んでないが楽しい。説話集のようなものまである。レオナルドの探索はここまで及んでいたのかと驚かされる。

「絵の本」から、の章、ここはレオナルドの真骨頂のひとつか。

・運動は一切の生命の源である
いいじゃない

・もし君がひとりでいるなら、君はすっかり君のものである。
こんな励ましの言葉はなかなかかけてもらえない。



久々に読んでみたことで、松岡正剛が、千夜千冊で、
「 しかし、一度はレオナルドの『手記』は手にとってみたほうがいい。おそらく、諸君に名状しがたい自信をもたらすだろうからである。」
と言ってる意味がよくわかった。
これを読んで励まされることができた自分は、大きくは間違えてはいないだろう、と思えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年4月8日
読了日 : 2019年4月8日
本棚登録日 : 2019年3月10日

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