存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)

  • 集英社 (1998年11月20日発売)
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本棚登録 : 5134
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「人間の時間は輪となってめぐることはなく、直線に沿って前へと走るのである。これが人間が幸福になれない理由である。幸福は繰り返しへの憧れなのだからである。」
ニーチェの永劫回帰から始まって、ここに辿り着く。小説の構造自体がこの憧れた繰り返しに倣う。
Einmal ist keinmal 一度は数のうちに入らない と引用されるドイツ語の諺が、タイトルとイコールになり、ダンスの夜に幸福の内に終わる、その後を知っているからこそ尚更、幸福を感じる、というのは最初の引用の通り。ケッサク。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年11月24日
読了日 : 2011年11月27日
本棚登録日 : 2018年11月24日

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