国際秩序

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2016年6月1日発売)
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感想 : 12
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これまでに読んだ国際情勢に関するあらゆる本の中で群を抜いて素晴らしい。キッシンジャーはフォード政権で国務長官を努めた外交のプロであり、ベトナム和平を実現してノーベル平和賞を受賞したほどの大物である。その言葉は重く、優れた歴史観と洞察力を以って、国際情勢を地域別に開設している。

1916年 サイクス・ピコ協定を以って、中東はイギリスとフランスによって分割されることとなった。それは、歴史的根拠が何もないものであり、その後の紛争や戦争の火種を内包したものとなった。

イスラム世界にとっての世界は、ヴェストファーレン体制は世界秩序の考え方として対極にある。国家は世俗的なものであり。国際システムの出発点ではなく、宗教統一への道筋への通過点にすぎない。

アラブの春は、広場に群衆を集めるのには成功したが、独裁政権を倒したその後にどういうものが来るかという考えが欠落していた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年10月8日
読了日 : 2017年8月19日
本棚登録日 : 2018年10月8日

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