少年計数機 池袋ウエストゲートパークII (文春文庫 い 47-3)

著者 :
  • 文藝春秋 (2002年5月10日発売)
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<内容紹介より>
自分が誰なのか確認するために、まわりのすべてを数え続ける少年・ヒロキ。その笑顔は十歳にして一切の他者を拒絶していた!マコトは複雑に絡んだ誘拐事件に巻き込まれていくが…。池袋の街を疾走する若く、鋭く、危険な青春。爽快なリズム感あふれる新世代ストリートミステリー、絶好調第2弾!

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前作に引き続き、ストーリー展開の店舗の良さと、語り口の軽妙さでするすると読み進むことができました。
全部で四編の作品が収録されていますが、LDで、すべてのものを数えていないと落ち着かない、という少年が主人公の表題作「少年計数機」と、ひったくり犯を捕まえようと70歳の老人コンビと調査に乗り出す「銀十字」は特に面白く感じました。

最後に収録されていた「水の中の目」は、女子高生が輪姦されたりマコトのそばで活動していた人の中から死人が出たりと少し後味の悪いものに仕上がっていました。
尤も、「池袋」という町のストリートで起こる事件ですから、ある程度血なまぐさいのは仕方ないのかもしれませんが……。

あと、2002年という時代を反映してか、登場人物たちが持っているのがPHSということに(2巻になって改めて)気づき、懐かしいような気にもなりました。
逆に、今の中学生や高校生にはわかるのかな?とも思ったり。スマホが使えればもっと簡単に解決できる事件出もあるような気もしますが、そういった面での「古さ」を感じさせない作品であることは、素晴らしいことだとも思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 個人
感想投稿日 : 2018年1月6日
読了日 : 2018年1月6日
本棚登録日 : 2018年1月6日

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