向田邦子本人の作品かと思ったら、妹の和子の書いた本であった。
家族に宛てた極めてプライベートな「遺書」を公開している。
そこまでするか?と、釈然としない気持ちを持つのは私だけではないだろう。
その遺書も、正式な遺書ではなく、思いつきのまま走り書きしたような内容なのである。
良いように取れば、向田邦子という人物を知る上での貴重な手がかりとも言えよう。
彼女の思い出を通して、本人の本質が語られる。
その本質で特に気になったのが、思いつきで行動しているように見えて、自分なりに先を読んでいたのだなと感じさせられる。
この妹に対して、赤坂で居酒屋風小料理屋を経営させたのは、ものすごく深い思いやりが背後にあったのだと気付かされる。
いわゆる兄弟愛の強さというものである。
今更ながらだが、惜しい才能を無くしたというより、ホントーに魅力ある女性を亡くしたものである。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年5月9日
- 読了日 : 2012年5月9日
- 本棚登録日 : 2012年5月9日
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