なんということだろう。
「じゃむパンの日」でファンになり手に取った、赤染さんの数少ない著書。ユダヤ人であることを否定され短い人生を生きた、アンネ・フランクの日記を読み解く女子学生の話だ。
彼女を美化してはいけない。彼女の人生を悲劇だとひと言で済ませてはいけない。ユダヤ人として生きることを許されなかった人たちの名前。みか子の葛藤はわたしたちが抱えなければならないものでもある。なぜかわたしも、彼女たちと同じ壇上にひとりで立っている。忘れてしまう恐怖を突きつけられて身動きひとつできないでいる。
まばたきも邪魔になるほど物語に入り込んでしまった。
何気なく選んだ本に、こうして現実の目の前に放り出されることがある。
赤染さんは今の世界、戦争をみて、どんな思いでいるだろう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年11月2日
- 読了日 : 2023年11月2日
- 本棚登録日 : 2023年11月2日
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