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出逢い、別れ、そして流れゆく、川の水の如き群像の心。僧侶にして芥川賞作家がおくる、鮮烈な「一期一会」の作品集。
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「Aデール」 「残り足」 「布袋葵」 「地蔵小路」 「塔」 「スクナヒコナ」 「中洲」
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四雁川の周りに暮らす人々を主人公にした短編集である。
四雁川で繋がっているというだけで、登場人物たちにはなんの関わりもないのだが、同じ川を身近に感じながら生きているという背景が、全体の雰囲気を作り上げているように思われる。それぞれの物語のなかで、人々は自分に与えられた人生を健気に生きている。取り立てて華々しい出来事や事件があるわけではないが、人々の暮らしぶりのひたむきさが胸に迫る一冊である。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
か行の作家
- 感想投稿日 : 2010年8月16日
- 読了日 : 2010年8月16日
- 本棚登録日 : 2010年8月16日
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