陽だまりの迷宮 (ハルキ文庫 あ 14-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2004年5月1日発売)
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本棚登録 : 140
感想 : 28
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十一人きょうだいの内、4人は父の連れ子、4人は母の連れ子、あとの3人は両親の子、という複雑な環境にいる生夫の目で語られる。
病弱な生夫の日常にポツリポツリと現われる事件は 事件とも言えないものかもしれないが それでも謎を抱えた生夫は 家族のことを想い 彼なりにあれこれと考えをめぐらすのである。しかし 所詮小学三年生の生夫のこと、考えつくことはたかが知れている。そんなところに現われて造作もなく謎を解いてくれるヨモギさんは 生夫にとってヒーローにも近いものだったのだろう。長じても懐かしく思い出すほどなのだから。
けれど、ヨモギさんは本当に下宿人のヨモギさんなのだろうか。それすらもミステリになっているのだ。じわりと瞼が熱い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: あ行の作家
感想投稿日 : 2004年11月28日
読了日 : 2004年11月28日
本棚登録日 : 2004年11月28日

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