白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2002年11月20日発売)
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本棚登録 : 2857
感想 : 208
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あの人は凄い人やわ、心の厳しさというか、何か侵し難いものがあるわ
医者の診察によって患者がどれほど心を安らかにするものであるかを、身にしみて知った。
明らかに肝性昏睡が始まりかけているのだった
そこに人間の弱さというか、救われようのない業のようなものが刻印されているようだった
屍は生ける師なり
自ら癌治療の第一線にある者が、早期発見できず、手術不能の癌で死すことを恥じる
医療は神の祈りであることを忘れ、白い巨塔の野望に敗れた財前の魂を洗い浄め、鎮めるような荘厳なミサが、夜明けの清澄な光と一つに溶け合って、里見を揺り動かした

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エンターテイメント小説
感想投稿日 : 2015年11月29日
読了日 : 2015年11月28日
本棚登録日 : 2015年11月29日

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