聖書考古学 - 遺跡が語る史実 (中公新書 2205)

著者 :
  • 中央公論新社 (2013年2月22日発売)
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宗教・信仰という、ある意味最も強固なバイアスから決して逃れられない領域での展開を宿命付けられた「聖書考古学」。宗教的・学問的に"中立である"ということが、これほど困難な分野もないだろう。さらに、イスラエル・パレスチナという複雑な政治情勢の特性上、遺跡の発掘が制約を受ける状況下では、聖書の記述の真偽それ自体を議論することは不可能なばかりか不毛でもある。
本書はそれよりも、聖書に描かれた伝承が「なぜそこに記されなければならなかったのか」に焦点を据え、主にローマ統治時代以前のユダヤ人の歴史を、「聖書」と「遺跡」を縦横の糸として解説してゆく。少々駆け足が過ぎる気もするが、我々日本人とは比較にならないほど複雑なユダヤ人の歴史に思いを至らせるには十分。

年表がついていなかったので、イスラエル大使館のHPからプリントアウトして参照しながら読んだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 考古学
感想投稿日 : 2014年3月10日
読了日 : 2014年3月9日
本棚登録日 : 2013年12月23日

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