シリーズ6冊目。香港からロンドンへ向かう旅はイタリア、スペイン、ポルトガルなどの南ヨーロッパから、ついにロンドンへ進む。
ポルトガルのサグレス、ユーラシア大陸の最果てでまさかまた「C」の「茶」に巡り合えるとは……!「C」より出でて「C」に到った旅に、こちらとしてもすごくスッキリとした気持ちで終わりを受け入れられた。
しかし、そこですんなり帰り支度をする著者ではなかった。句点を打って終わらせると思っていたので少し意外だったが、とても著者らしい終わり方だと思った。
最終巻までに「旅とは何か?」と色々な考えを巡らせてきたが、結局はカブールのホテルの若マネージャー・カマルが言っていたように、「旅は楽しむためにするもの」なのかもしれないという答えに至った。
楽しむといっても、著者の楽しみ方、カマルの楽しみ方、人それぞれの楽しみ方がある。しかし、他人の旅の楽しみ方は他人にはわからない。結果、やはり旅とは何なのか、読んだだけではわからないのだと思う。著者が外国に対して言ったように、「わかっているのは、わからないということだけ」なのだと心から思う。
本当に読んでいるだけでとてもおもしろい旅だった。なんだか怖いと思っていた東南アジアや中東にも興味が持てたし、毎日刺激的な追体験をさせてもらえた。本、読書のパワーをビシバシ感じるシリーズだった。著者に感謝!
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年8月26日
- 読了日 : 2019年8月19日
- 本棚登録日 : 2019年8月19日
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