あ、バトーさんだ!と絵で気付いたので、読んでみたよ。
士郎正宗原作の攻殻機動隊の登場人物、
バトーが主人公。士郎さんの原作は読んだ事がなく
私が知っているバトーは、押井守さんの映画版バトーと
神山健治さんのTVシリーズ版のバトーなの。
どちらのバトーも同じ人物だけれども、監督が変われば
人物像も捉え方も少し変わる。渋いのなら押井さん、
人間味に溢れているのなら神山さんのバトーという感じに。
それでも、全編通してバトーは、無口で頭の中で考えて
心で読み取ろうとする人である。そんなバトーさんを通した
お話。バトーさんの心に沿って物語が展開されていく。
イノセンスは押井さんの映画と同じタイトルなのだけれど、
また別のお話で、イノセンスの直前にあたる物語だそう。
バトーさんの想いを文章という形に変えただけに近く
私は、バトーさんはこんな人なのだろうと思っていたので
違和感なく読めたのだけど、人によっては、ものすごく
いろんな想いにアンテナを張るんだなと思う人もいるかも。
私が思っていたのは、無口な分、心の中ではお喋りで
あらゆるいくつもの感情を手にして、どうするべきなのかと
天を仰いでいるのじゃないかと。読んでみると、会話らしき
文章は、しれているのに。心の中の声は無数に飛び交う。
それら心の声を文章にする形式になっており、文章は
物語のほとんどの場所を占める。そして、すごく多い。
心の中でお喋りなのは良いのだけど、まわりくどい。
これが難点で、それらが文章になった時の読み方や、
捉え方などにバトーさんから、いちいち訂正が入る。
この表現方法の為にページが増えてるよと思う程、多い。
途中、それで読むのを止めた。読みたいのにと思えば
バトーさん、まわりくどいもんな〜と反射的に考える。
キャラクターとしてのバトーさんをよく捉えているし
面白いお話だったのに、この表現方法をするが為に
文章とページ数が間延びして、損をしていると思う。
バトーさんらしいといえば、らしいけれど、それにより
私はテンポ良く読めなくて、少々手こずってしまったよ。
- 感想投稿日 : 2009年9月28日
- 読了日 : 2010年8月2日
- 本棚登録日 : 2009年9月28日
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