大学助教授の不完全犯罪 (幻冬舎アウトロー文庫 O 13-5)

著者 :
  • 幻冬舎 (1998年12月1日発売)
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昭和48年に起きた、立教大助教授教え子殺人事件(その後、犯人の助教授は妻と娘、息子とともに崖から飛び降りて一家心中)をもとにしたノンフィクションノベル風ノンフィクション。愛人である教え子を騙して「旅に出るから心配しないで」などと手紙を書かせたり、失踪した(ことになっている)彼女をいかにも心配している風情で、憔悴した両親のもとを尋ねたり、へたな小細工はするくせに、殺害直後、むかし一度だけ関係をもった年上の大学関係者を呼び出し、ある種のあまえなのかなんなのか、彼女に口裏あわせを頼む(女性は速攻ほかの大学関係者に報告)という間抜けをやらかす、タイトル通りの不完全にもほどがある不完全犯罪。「やっちゃったものはしかたがない」という反省ゼロの言葉と、遺体処理の杜撰さに助教授の本性をみた気がする。これは埋葬ではない、と刑事たちもいった。事件解決よりも体面を選んで通報しなかった大学関係者たちにも腹が立つ。ノリ的には「黒い報告書」みたいなもんっていうか、あの長編バージョンだとおもってもらえればいいです。ノンフィクションと謳っているものの、妄想も多分に入っていそうだし。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション/ルポルタージュ
感想投稿日 : 2010年1月20日
読了日 : 2010年1月20日
本棚登録日 : 2010年1月20日

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