父が入院し、抹消点滴を始めて数週間が経った。食べ物の経口摂取はしていない。家族が医師と話しをし、胃ろうや中心静脈栄養はせずに、このまま抹消点滴を続けることに決めた。高齢のため、それで良かったのだろうが、終末期医療についてわからないことばかりなので、この本を読んでみた。
長尾先生は「死の外注化」に対して警鐘を鳴らしていらっしゃるが、現代の我々は、死ぬときも、子育ても、料理その他の家事においても、多くの面で外注に頼っているとつくづく思う。
13日前に病院にお見舞いに行ったときは、ずっと横になっていたものの、「素晴らしい」「素晴らしい」と何度も繰り返していた(いい夢でも見たのかな?)。9日前には、頑張って起き上がって時々会話をしてくれたが、その3日後からは言葉を発するのもしんどいようで、ひたすら目を閉じている。
誤嚥をするといけないので水も飲ませないでくださいと言われると、そうする他なく、すべて看護師さんにお任せ状態だ。点滴の量をもう少し減らしたほうがいいのかも、口から食べたいと思っているのかも、わからない。
「素晴らしい」「素晴らしい」と言いながら、穏やかに眠りにつけたらよかったのかもしれない。苦しさがひどくならないことを祈るのみだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年6月23日
- 読了日 : 2019年6月23日
- 本棚登録日 : 2019年6月23日
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