日下三蔵氏の執念が生んだ短編集、とでも言うべきか、版元を超えてタッグが組まれ、「夜のリフレーン」と対を成す一冊。
いわゆる幻想小説にカテゴライズされる作品が主だった「夜のリフレーン」と異なり、少しヴォリュームがあるミステリーを中心に収められている。
とは言いつつ幻想的なテイストが横溢するものがあったり、古典芸能の裏側を描いた作品があったりと、中世~近代欧州を舞台とする長編群とはまた趣を異にしながら、実に皆川博子氏らしい物語が並んでいる。
個人的には、小粋なタッチで遊び心が満載の「ほたる式部秘抄」が秀逸で、強く印象に残った。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
単行本
- 感想投稿日 : 2019年6月17日
- 読了日 : 2019年6月17日
- 本棚登録日 : 2019年6月17日
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