前作の「ザ・ゴール」が面白かったので続けて読んだ。
前作で大成功を収めたアレックスは、ユニコ社の副社長となり手腕を握っていた。
かつての彼の部下たちも、グループ会社の社長となり活躍していたが、
なかなか利益が出せず、売却される危機に。
短期間で眼を見張る利益を出すのは難しい。
それなら、いかに今後利益に繋がるビジネスをしているのかを示す必要がある。
こちらは前作と違って、物流ロジックの話ではなく、
どちらかというと、問題と見通しを明らかにして説得する話だった。
問題のコンフリクトを明らかにする「雲」や、「現状問題構造ツリー」といった手法を用い、
アレックスのかつての部下であった、ピート、ボブ、ステーシーは、それぞれの会社でおこっている問題を分析し、画期的なビジネス手法を編み出した。
解決手法の中では、問題とは大抵の場合「結果(UDE)」であり、それ自体は原因では無い。根本原因はもっと深いところにあり、それを潰さなければいけない。
という観点が新しかった。
ステーシーの会社は、最後まで苦戦をしており、「会社は何も投資してくれなかったのに、必要なくなったら切り離そうとする」と悲観的になるステーシーのシーンに少し共感をした。
しかし実は、追加投資をせずとも利益を出すことは可能であることがわかり、最後には、ステーシーたちもポジティブな方向へ舵をきることとなる。
今回も、アレックスの仕事仲間だけでなく、家族が登場する。
妻のジュリーは、結婚コンサルタントとして、日々ジョナの手法を活用し、アレックスの良き相談相手として、アレックスに的確なアドバイスをするようになる。
娘シャロンのボーイフレンドとの問題や、息子デイブの友人との自動車共同購入についての潜在的な問題など、子供達の問題とアレックスが真摯に向き合うシーンも印象的だった。
前作の「ザ・ゴール」よりは、「説得」という、汎用性と抽象度があがる手法で、衝撃は少なかったが、前作と変わらず読みやすいストーリーだった。
- 感想投稿日 : 2019年6月6日
- 読了日 : 2019年6月5日
- 本棚登録日 : 2019年6月5日
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