蒙古襲来(小学館文庫) (小学館文庫 R あ- 7-1)

著者 :
  • 小学館 (2000年12月6日発売)
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本棚登録 : 143
感想 : 9
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「蒙古襲来」というタイトルであるからにはもちろん元寇にも論考の紙数は割かれているが、本書はそれだけにとどまらない広がりがある。蒙古襲来によっていかに日本の政治が揺さぶられたかを、文献を紐解きながら丹念に追っていくのだが、戦前、戦後についても緻密に追っていく書き方。

蒙古襲来のその前に、「宋銭」の流入による貨幣経済化の萌芽が、為政者や庶民に及ぼした変化を辿るあたりは、非常に興味深い。著者独特の、経済面から中世を斬っていくスタンスが他にも多数見られ、良質の知性に触れる喜びがここにあると感じる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養本・エッセイ
感想投稿日 : 2023年12月16日
読了日 : 2023年12月16日
本棚登録日 : 2023年11月25日

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