キメラを飼育する中年男の話「キメラなど存在しない」が秀逸。バラエティに富んだ5編、SFも含む。
書かれていることの背景は、貧困であるとか、亡命であるとか、深刻な問題をはらんでいる。しかし世の良作がそうであるように、本作もその背景を露骨には描かず知らしめる。読者の目に第一に飛び込んでくるのは、キューバ市民の日々であり、ほの明るい手触りを感じる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ラテンアメリカ・カリブ海文学
- 感想投稿日 : 2015年11月11日
- 読了日 : 2015年11月11日
- 本棚登録日 : 2015年11月8日
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