一般的に「ポストモダン」「哲学的」と紹介される場合、読者の購買欲をそそるとは思えない。本書はまさにその罠にはまって遠ざけられる一冊ではないかと思われる。惜しい。
ポストモダン云々というよりも、ロシア的混沌を映し出す様が圧巻。散漫にならず、意外なほど章と章の連環が小気味よく、全体を通しても伏線を巧みに回収している。小説の技巧的には丁寧なのに、全体を俯瞰したときには胸焼けするほどロシア的混沌にやられる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ロシア語文学
- 感想投稿日 : 2018年5月14日
- 読了日 : 2018年5月13日
- 本棚登録日 : 2018年4月22日
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