猫SF傑作選 猫は宇宙で丸くなる (竹書房文庫)

  • 竹書房 (2017年8月31日発売)
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猫が活躍するSF中短編小説アンソロジー。
地上編◆5作+宇宙編★5作。

 ◆ジェフリー・D・コイストラ「パフ」(Puff:1993年)
 ◆ロバート・F・ヤング
 「ピネロピへの贈りもの」(Pattern for Penelope:1954年)
 ◆デニス・ダンヴァーズ
 「ベンジャミンの治癒」(Healing Benjamin:2009年)
 ◆ナンシー・スプリンガー
 「化身」(In Carnation:1991年)
 ◆シオドア・スタージョン「ヘリックス・ザ・キャット」
 (Helix the Cat:1938/1939年)
 ★ジョディ・リン・ナイ「宇宙に猫パンチ」
 (Well Worth the Money:1992年)
 ★ジェイムズ・ホワイト「共謀者たち」
 (The Conspirators:1954年)
 ★ジェイムズ・H・シュミッツ
 「チックタックとわたし」(Novice:1962年)
 ★アンドレ・ノートン「猫の世界は灰色」
 (All Cats are Gray:1953年)
 ★フリッツ・ライバー「影の船」
 (Ship of Shadows:1969年)

少し事前の期待値が高過ぎたかな~(笑)。
中には「別に猫でなくてもいいんじゃ……」みたいなものも。
そんな中でハートを鷲掴みにされたのが、
執筆年が一番新しいダンヴァーズ「ベンジャミンの治癒」。
愛猫の死を受け入れられない飼い主が必死で介抱したら、
特異能力が発露し、猫は生き返り、しかも、
不老不死になるわ、人間の言葉で会話出来るようになるわ――で、
願ったり叶ったりと言いたいところだったが、
それを他人に知られてはいけないので
様々な苦労が……という話。
男一人と猫一匹が旅に出る展開が素晴らしい。
そして、結末は、
これまた飼い主にとって理想的なエンディングだろうけれども、
とても切ない。
グッと来た(涙)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 【アンソロジー】
感想投稿日 : 2019年10月5日
読了日 : 2019年10月5日
本棚登録日 : 2019年9月16日

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