ドラッカー名著集12 傍観者の時代 (ドラッカー名著集 12)

  • ダイヤモンド社 (2008年5月16日発売)
4.28
  • (28)
  • (19)
  • (10)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 350
感想 : 22
5

ドラッカーのすごさが詰まった本だと思う。

ドラッカーと聞くと、大抵の人は「ああ、マネジメントを開発した人でしょ」「ビジネス書の大家だよね」と言った返事が返ってくる。とんでもない。

ドラッカーは「人が幸せに生きるためにはどうすればいいのか?」を常に考えながら、人や社会全体を鋭い視点で洞察し続けた人だ。

これからの社会を見通したうえで「これから我々人類は、何を考え、どのように生きていくのがよいのか」を考えた結果として生み出したのが、マネジメントやイノベーションと言った概念達なのだ。この順番を決して間違えてはいけない。

第二次正解大戦前にナチスに真摯に対峙し、ナチスの本質の見抜いたこと。戦後アメリカにわたり、これからの人々の幸せのために「組織」の質を上げることが不可欠であると見抜いたこと。「組織」とは営利組織だけではなく、21世紀はむしろNPOが人々の幸せに貢献する時代になると予言したこと。

上記はすべてビジネスの枠に囚われていては決してできないことだろう。人類全体を包括する視点で物事を考えてこそ、初めてできることだと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2016年6月2日
読了日 : 2016年6月2日
本棚登録日 : 2016年6月2日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする